〇潜熱蓄熱建材とは?
潜熱蓄熱建材は、物質が相変化する際に吸収・放出する潜熱を住宅・建築物での蓄熱に利用する建材であり、コンクリート等の顕熱を利用した蓄熱建材に比べて、室温に近い温度域において少量で大容量の蓄熱が可能という特徴があります。季節を問わず室温温度の変動を抑え、快適な室内空間を維持できます(図1)。
図1:室内温度安定化効果のイメージ
潜熱利用の場合は目的の温度範囲を相転移付近に設定すれば効率よく熱エネルギーを利用できるのに対し、顕熱利用の場合はどの温度でも同じ比熱で熱を吸収・放出するため、適切な温度とするのに大きな熱量を要してしまう場合があり、冬に暖まらない、夏に冷えない状況になる場合もあります(図2)。
図2:潜熱利用と顕熱利用の違いイメージ
〇潜熱蓄熱建材の冬季暖房負荷低減と室温安定イメージ
冬季において昼間の熱を潜熱蓄熱建材で蓄熱する事で日射による室温の温度上昇(オーバーヒート)を抑え、夜に放熱する事で夜の暖房負荷低減と室温の安定化が可能になります(図3および図4)。
図3:潜熱蓄熱建材を用いた冬季暖房負荷低減と室温安定イメージ
図4:潜熱蓄熱建材を用いた冬季暖房負荷低減のモデル
〇潜熱蓄熱建材の夏季の冷房負荷低減と室温安定イメージ
日中は温度が高いが夜間の温度が下がる地域では、潜熱蓄熱建材で夜間に蓄冷し、昼に放冷する事で昼の冷房負荷低減と室温の安定化が可能になります(図5)。
図5:潜熱蓄熱建材を用いた夏季室温安定イメージ
〇電力系統負荷低減(太陽光発電電力の自立利用)のイメージ
電力需要がピークを迎える時期においてはそのピークシフトによる電力系統負荷低減についても期待されています。高気密高断熱住宅に太陽光発電で作られた電力を積極的に使い空調し、潜熱蓄熱建材に夏は蓄冷、冬は蓄熱をすることで発電電力の自立利用をする可能性が検討されています(図6)。
図6:潜熱蓄熱建材を用いた電力自立利用イメージ
〇製品例
複合建材型
既存の建材に潜熱蓄熱材を内蔵しており、従来の建材としての機能も有しており、そのまま建築に使えることが特徴です(図7)。
図7:複合建材型の例
シート型
潜熱蓄熱材をシート状の建材に内蔵しており、現場での切り貼りが可能で使い勝手のよさが特徴です(図8及び図9)。
図8:シート型の例(1)
図9:シート型の例(2)
プラスチック容器・パック内蔵型
潜熱蓄熱材を各種容器に内蔵しており、蓄熱量が大きいことが特徴です(図10及び図11)。
図10:プラスチック容器内蔵型の例
図11:パック内蔵型の例
(左:アルミパック、右:樹脂パック)
塗り壁・ボード型
塗り壁や各種ボードに潜熱蓄熱材を内蔵しており、多用途に使える事が特徴です(図12、図13及び図14)。
図12:塗り壁型の例
図13:ボード型の例(1)
図14:ボード型の例(2)